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チートデイとは?体脂肪率別・BMI別の頻度、正しいやり方を紹介

ダイエットに取り組む中で「チートデイ」という言葉を聞いたことがある人は少ないはず。この記事では、「チートデイの基礎知識・効果」「体脂肪率別・BMI別の頻度」「正しいやり方」などを詳しく解説。自分がチートデイを本当に取り入れるべきかどうかを判断しながら、長続きするダイエット習慣を身につけよう。

この記事の監修者

古谷 彰子さん

博士(理学) 管理栄養士

博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。

【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師

 

目次

チートデイとは?

チートデイは単に「何でも食べていい日」ではなく、ダイエットの停滞期を乗り越えるための戦略的な食事日。ダイエット中に意図的に設ける「食事制限を緩める日」のことで、不足した分の栄養素を補う日のことを指す。

チートデイのおもな目的は、代謝の活性化や停滞期の予防。「週に1日」程度、制限をしていた食品を許可し、長期的な食事制限によって低下した代謝を刺激し、ダイエット効果を持続させる役割がある。

計画的にチートデイを活用することで身体的・精神的にリフレッシュでき、ダイエットを継続しやすくなって成功にも近づく。

チートデイを導入しなくても、ダイエット中にたまには交流の時間を重視して食事を楽しむのはOK。その後数日は食べすぎた分を調整するようにしましょう。

チートデイの効果

ここでは、チートデイを取り入れることによって期待できる効果について見ていこう。

  • 代謝が上がり体重が減少しやすくなる
  • ダイエットのストレスが軽減される
  • 不足しがちな栄養素が効果的に補給される
  • ホルモンバランスが整い空腹感が抑えられる
  • 長期的なダイエットの継続が可能になる

ただし、チートデイの効果は「ダイエットで停滞期になってしまうような厳しい食事制限」や「高強度の運動をおこなうアスリート」などであれば顕著に現れるが、ダイエットを始めたばかりで食事が我慢できない場合や、体脂肪率が高い場合は効果が得られないこともあるので覚えておこう。

代謝が上がり体重が減少しやすくなる

チートデイを取り入れることで、代謝を活性化する効果が期待できる。

厳しい食事制限を続けると身体は飢餓状態を感知し、代謝を落として体重を維持しようとする。この現象は停滞期と呼ばれ、減量しにくくなる原因になる。そのため、チートデイによって一時的に通常エネルギー量の食事を摂取することで、身体に「飢餓状態ではない」というシグナルを送ることができる。

結果として代謝が一時的に上昇し、エネルギー消費量が増加。これによって、そのあとのダイエット効果が高まる。

ダイエットのストレスが軽減される

チートデイを導入することで、ダイエット中のストレスを軽減する効果が期待できる。

厳格な食事制限を続けることは、精神的にも肉体的にも大きな負担。チートデイは、この負担を和らげる「安全弁」のような役割を果たす。食べることを楽しめる時間を定期的に設けることで、ダイエットへのモチベーションが維持しやすくなる。

また、食事制限によるストレスは、「過食」「暴飲暴食」のリスクを高めてしまう。チートデイを計画的に取り入れることで、このようなリバウンドのリスクを軽減することにもつながる。

不足しがちな栄養素が効果的に補給される

チートデイは、通常の食事制限下では摂取しにくい栄養素を補給する機会となる。

厳しい食事制限をおこなうダイエット中は、エネルギー制限のために特定の食品を避ける傾向がある。これによって「糖質」「ビタミン」「ミネラル」「必須脂肪酸」などの重要な栄養素が不足しがちに。

食事制限では糖質の量を制限する場合が多く、糖質が不足しがちになります。そのため、チートデイでは好きなものばかりを食べるのではなく、普段制限しているものを中心に摂取しつつ、栄養バランスを考慮することが大切です。暴飲暴食は避け、計画的に制限を緩めることが効果的です。

ホルモンバランスが整い空腹感が抑えられる

チートデイをおこなうことは、ホルモンバランスの改善につながり、結果として空腹感の抑制につながる。

長期的な食事制限は、「レプチン」や「グレリン」といった食欲調整ホルモンのバランスを崩す可能性がある。とくに「レプチン」は満腹感を促すホルモンで、厳しい食事制限が続くと分泌量が減少し満腹感を感じにくくなる。

そのため、チートデイで一時的にカロリーを増やし、レプチンの分泌を促すことで満腹中枢が刺激され、そのあとの数日間は空腹感が抑えられやすくなる。

また、チートデイは血糖値の変動を和らげる効果もある。急激な血糖値の上昇と下降は、空腹感を引き起こす要因の1つ。チートデイで適度な糖質を摂取することで、血糖値を安定させ、空腹感を抑えられる。

ホルモンバランスを整えるためには、チートデイだけでなく日常的な食事習慣も重要です。まずは1日3食をきちんととるようにすることを意識しましょう。3食しっかり食べることで血糖値の急激な上昇を防ぎ、インスリンの過剰分泌を抑制します。

また、適切な食事回数を保つことで「過度な食欲」「胃の過度な拡張」を防ぐことが可能です。バランスの取れた食事を規則正しくとることで、次の停滞期を乗り越えやすくなり、長期的な健康維持につながります。

長期的なダイエットの継続が可能になる

厳しい食事制限を長期間続けることは、精神的にも肉体的にも大きな負担となってしまう。チートデイは、食事を楽しむ感覚を取り戻す機会にもなるため、これらの負担を軽減し、ダイエットを継続しやすくする役割を持つ。

おいしいものを味わう喜びを定期的に体験することで、日々の食事制限に前向きになれたり、ダイエットへのモチベーションが維持しやすくなる。これにより、「我慢のダイエット」から「楽しみながらのダイエット」へと意識が変化し、無理なく続けられるようになる。

ダイエット中の停滞期を乗り越えるためには、体重が減らなくても諦めずに継続することが大切です。ダイエットで停滞期に入ったということは、それほど頑張ってきたという証でもあります。ダイエットの方針を急に変更するのではなく、これまでのリズムを維持するようにしましょう。

また、ダイエット以外にも目を向け、ゲームやお風呂など何でもよいのでリフレッシュする時間や趣味の時間を設けることが効果的です。

チートデイの適切な頻度

ここでは、「男女の体脂肪率別」「BMI別」でチートデイの適切な頻度を紹介。間違った頻度はダイエットに逆効果なため、自分に適したペースを見つけよう。

  • 一般的な目安は週1回
  • 男性:体脂肪率に応じて2週間に1〜2回
  • 女性:生理周期を考慮して月に3〜4回
  • BMI別:頻度の目安

一般的な目安は週1回

チートデイの頻度を決める際に考慮すべきポイントは「BMI」と「体脂肪率」。

BMIが23以上の場合、チートデイは「1ヶ月に1回程度」あるいは「まったく設けない」方がよい。とくに体脂肪率が高い場合は、体内に十分なエネルギーが蓄えられている状態なのでチートデイが効果を発揮しない可能性がある。

一方、激しいトレーニングをおこなう人やアスリートなどの体脂肪率が低い人の場合、「1週間もしくは10日に1回程度」のチートデイが適していることが多い。ただし、おこなっているスポーツの種類によっては、日常的に多くの炭水化物の摂取が必要な場合もあるため調整が必要。

チートデイの頻度を決めた後は、それを厳守することが大切。チートデイを2日連続で設けるなど、ルールを緩めるのはNG。チートデイの翌日からは通常のトレーニングと食事制限に戻り、オンとオフを明確に分けよう。

身体の変化や状態に応じてチートデイのペースを変える必要はありますが、一度決めた頻度はある程度の期間維持しその効果を見極めてから調整するのが望ましいです。急激な変更は避けて、徐々に調整していきましょう。

男性:体脂肪率に応じて2週間に1〜2回

一般的に男性は、女性よりも代謝が高く筋肉量も多いため、チートデイの頻度を調整しやすい。

  • 体脂肪率が25%以上:必要なし
  • 体脂肪率が20〜24%:2週間に1回程度〜
  • 体脂肪率が15〜19%:10日に1回程度
  • 体脂肪率が15%未満:週1回程度

体脂肪率が25%以上の場合、チートデイは基本的に必要ない。これは体内に十分な脂肪があるため、身体が飢餓状態を感じにくくチートデイ効果が得られにくいため。

体脂肪率が20〜24%の場合、「2週間に1回程度」であれば、ダイエット効果を維持しつつ代謝の低下を防ぐ。体脂肪率が15〜19%の場合、「10日に1回程度」のように、少し頻度を上げてチートデイを取り入れることで、代謝を活性化させ停滞しがちなダイエットを促進できる。

また、体脂肪率が15%未満の場合は、「週1回程度」が効果的。ホルモンバランスを整えて、低体脂肪率と筋肉量を維持する。ただし、これらの頻度はあくまで目安。個人の生活リズムや運動量、ストレスレベルなどを考慮して調整しよう。

女性:生理周期を考慮して月に3〜4回

  • 体脂肪率が35%以上:必要なし
  • 体脂肪率が30〜34%:2週間に1回程度〜
  • 体脂肪率が25〜29%:10日に1回程度
  • 体脂肪率が25%未満:週1回程度

男性と同様に体脂肪率が35%以上の場合、効果が得られにくいためチートデイは必要ない。

生理周期による女性ホルモンの変動は、代謝や食欲に大きな影響を与える。生理だからといって、チートデイの設定について特別に考慮する必要はないが、生理前後や生理中に食欲が増してしまう傾向がある場合は、チートデイを設けないというのも1つの選択肢。

また、「排卵期前後」と「生理前」は、代謝が上がりカロリー消費量が増加する時期。この時期にチートデイを設けることで、代謝促進効果を最大限に引き出すことができる。

生理によって食欲が増してしまう傾向がある場合は、生理による食べ過ぎとチートデイを混同しないようにしましょう。「生理であること」を好きなものを好きなだけ食べる言い訳にせず、できるだけいつもの食事量を維持することが大切です。また、体調が悪い場合、チートデイは控えるようにしましょう。

BMI別:頻度の目安

BMI(Body Mass Index)は体格を数値化した指標であり、チートデイの頻度を決める上で重要な指標の1つとして利用できる。BMIに応じてチートデイの頻度を調整することで、より効果的なダイエットが可能になる。

  • BMIが30以上(肥満):1ヶ月に1回程度(設けなくてもよい)
  • BMIが25〜29(過体重):10日に1回程度(設けなくてもよい)
  • BMIが18.5〜24(標準):週1回程度
  • BMIが18.5未満(低体重):チートデイよりも全体的な栄養摂取量を増やす

BMIが30以上(肥満)の場合、まずは体重減少を優先し代謝の低下を防ぐことが大切。頻繁にチートデイを設けると、減量の妨げになる可能性がある。BMIが25〜29(過体重)の場合、「10日に1回程度」であれば、適度な代謝促進効果を得つつ着実な減量を続けることができる。

ただし、これらのBMIの場合はチートデイを設けなくてもよく、停滞期の有無によって柔軟に調整しよう。

BMIが18.5〜25(標準)の場合は、体重維持や軽度の減量が目標となるため、より頻繁にチートデイをおこなうことで代謝を活性化させることができる。

チートデイの摂取カロリーの目安

チートデイは、「好きなものを好きなだけ食べる」ということではなく、「栄養バランスのとれた食事を適切な食事量で摂取する」という考え方が基本。

適切な食事量については個人の「基礎代謝量」「体格」「運動量」によって異なるため一概に言い切れないが、カロリーベースでの目安は以下の通り。

男性:2,500〜3,000kcal程度
女性:2,000kcal前後

これ以上は、「代謝の混乱」「不必要な体重増加」につながる恐れもあるため、チートデイだからと言って過度なカロリー摂取は避けること。完全に食事制限を外してしまうのではなく、栄養バランスと量を意識することが大切。

チートデイの正しいやり方

ここでは、チートデイを「取り入れるタイミング」「正しく実施するためのポイント」を見ていこう。

  • 停滞期に入ったらスタートする
  • 前日は通常の食事制限を守る
  • 当日の朝食から炭水化物を増やす
  • 朝食と昼食で好きな食べ物を楽しむ
  • 翌日は通常の食事に戻す
  • 水分を多めに摂取して代謝を促進する

停滞期に入ったらスタートする

チートデイは、停滞期に入ったタイミングで導入することが適切。停滞期は「ダイエットに適切な食生活・運動を続けているにも関わらず、体重や体脂肪率が2週間以上変化しない状態(生理などの影響も受けずに)」が続く場合を指す。

ダイエットを続けていると身体が慣れ代謝が安定してくる。この時期にチートデイを導入することで代謝が停滞することを防ぎ、効果的に刺激を与えられる。

チートデイの導入は個人の「体質」「目標」「ダイエット」の進捗状況によって調整が必要。体重や体脂肪率の減少が停滞し始めたと感じるタイミングで導入を検討しよう。

体重や体脂肪率が2週間以上変化しない状態が続く前に、チートデイを入れなければ続けられないと感じるほどダイエットに強いストレスがある場合は、ダイエット方法の見直しが必要です。「好きな食べ物を適度に取り入れる」「ダイエット以外に夢中になれるものを見つける」など、食べたい食べ物やダイエットのことで頭がいっぱいにならないような取り組み方を探してみましょう。

下記の記事では、「ダイエットの停滞期の基礎知識・乗り越え方」などを詳しく紹介しているので、チートデイ以外の方法を知りたい人は参考にしてみよう。

ダイエットの停滞期はいつ終わる?おもな原因や期間、抜ける方法を紹介

ダイエットの停滞期とは?リバウンドとの違いも解説 ダイエットを長く続けていると、体重が落ちにくくなったり、ダイエット効果が感じられなくなったりする停滞期を迎える.....

前日は通常の食事制限を守る

チートデイの前日は、通常の食事制限を厳守することが大切。前日に食事制限を緩めてしまうと、チートデイ当日の過食につながりやすい。また、2日連続で高カロリーの食事を摂取すると、せっかくのダイエット効果を打ち消してしまう可能性も。

前日の食事制限を守ることで身体がカロリー制限状態にあることを認識し、これによってチートデイの代謝促進効果がより顕著になる。

ただし、前日だからといって極端な食事制限をするのではなく、バランスの取れた通常の食事制限を守ること。夕食は軽めにし、「高タンパク・低炭水化物」の食事を心がけるのがおすすめ。

当日の朝食から炭水化物を増やす

普段朝食から食事制限していた場合、チートデイ当日は炭水化物を積極的に摂取することが効果的。これは代謝を活性化させて、身体に「飢餓状態ではない」というシグナルを送る重要な役割がある。普段朝食に関しては食事制限していない場合、いつも通りの炭水化物量でOK。

また、朝食での炭水化物の摂取は体内の糖質貯蔵量を増やし、「レプチン」の分泌を促進する。レプチンは満腹感を促すホルモンで、これにより過食を防ぎつつ、代謝を上げる効果が期待できる。

急激な血糖値の上昇を避けるためにも、米などのでんぷん質を摂取するのがおすすめ。パンを食べる場合は、菓子パンやケーキではなく、雑穀のパンを選ぶと血糖値の上昇が緩やかになる。

ただし、朝食だからといって過剰に摂取しないよう注意しよう。一日を通じてバランスよく食事を楽しむことが、チートデイの本来の目的。

朝食と昼食で好きな食べ物を楽しむ

夜は消化が悪くなるため、たくさん食べると胃に負担がかかってしまう。寝る直前で胃の活動が活発になると、睡眠の質を下げることにつながる。チートデイの食事は、朝と昼に集中させ、夜からは翌日のダイエット調整を意識して過度な摂取は避けることが望ましい。

昼食では、栄養バランスの取れた食事を心がけつつ、好きなものを楽しむこと。とくに炭水化物を中心としたメニューがおすすめで、ハンバーガーなど「炭水化物」「脂質」を含む食事を選ぶのもよい。夕食では「食物繊維」「タンパク質」を意識的に摂取するのがおすすめ。タンパク質が豊富な主菜を選ぶことで、筋肉の修復や成長を促進できる。

夜は摂取したエネルギーを消費する時間や活動量が足りず、脂肪として体内に蓄積されやすくなります。また、食事以外では昼食後に軽い運動をするよう意識しましょう。たとえば、友人と外食してランチを楽しんだ後、帰り道に少し歩く時間を取るなどをおこないましょう。

翌日は通常の食事に戻す

チートデイの翌日は、通常の食事制限に戻すことを忘れずに。この切り替えがチートデイの効果を最大化し、ダイエットの成果が出やすくなる。

翌日の朝食は、軽めの食事から始めるのがおすすめ。「高タンパク・低炭水化物」の食事を心がけ、身体を通常のリズムに戻そう。水分を多めに摂取して、体内の余分な塩分や水分を排出するのも効果的。

これにより、チートデイによる一時的な体重増加を速やかに解消できる。翌日はとくに野菜を多く摂取するよう心がけること。食物繊維が豊富な野菜は、消化を助け、腸内環境を整える効果がある。

さらに、運動も積極的におこなうことが大切。有酸素運動を中心に適度な強度の運動をおこなうことで、チートデイで摂取した余分なカロリーを効率的に消費できる。

水分を多めに摂取して代謝を促進する

チートデイでは水分を多めに摂取することも大切。適切に水分をとることで本来の能力を引き出せる。また、「食事の消化」「栄養素の吸収」「老廃物の排出」などのプロセスもスムーズになる。

十分に水分を摂取することで、一時的なむくみを防ぐ効果も。塩分の多い食事をとった際に起こりがちなむくみを軽減し、翌日の体調改善にもつながる。また、水分摂取のタイミングも意識したい。「食事の30分前」に水を飲むことで胃腸の働きが活性化され、消化吸収が促進される。

水以外にも、緑茶やハーブティーなどのノンカフェイン飲料も効果的。代謝を促進する成分が含まれており、チートデイの効果を高めてくれる。

チートデイは何を食べるのがいい?効果的な食品選びのコツ

チートデイだからといって「好きなものを好きなだけ食べ過ぎる」のはダイエットに悪影響を与える。しっかりと食べることを楽しみつつ、栄養バランスも意識しよう。

  • 玄米・全粒粉などを低GI食品を中心に選ぶ
  • 赤身肉や魚でタンパク質をバランスよくとる
  • アボカドやナッツ類で健康的な脂質を補う
  • 野菜や果物でビタミン・ミネラルを豊富に摂取する
  • 乳製品を取り入れてカルシウムを補給する

チートデイは「好きなものを好きなだけ食べてもいい日」ではありませんが、一般的な栄養バランスやエネルギー量を守れば好きなものを食べて問題ありません。

玄米・全粒粉などを低GI食品を中心に選ぶ

チートデイには、雑穀や全粒粉などのGI値が低い「複合炭水化物」を中心に選ぶことがおすすめ。白米や小麦粉などの単純炭水化物と比べてゆっくりと消化されるため、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できる。

また、複合炭水化物は食物繊維も豊富に含むため、腸内環境を改善する効果も。これにより、「代謝の促進」「便秘の解消」など、全体的な健康維持につながる。

「さつまいも」「かぼちゃ」などの根菜類も複合炭水化物を含む食べ物。食物繊維に加え、「ビタミンA・C」を豊富に含んでいるため、免疫力アップも期待できる。ただし、量の調整は大切で複合炭水化物であっても過剰摂取は避けよう。適度な量を心がけ、ほかの栄養素とのバランスを取ることが大切。

チートデイの炭水化物の摂取量は、個人の必要エネルギーの「50〜65%程度」が目安です。たとえば、「1日2,000kcal」必要な女性の場合、「約1000kcal分」を炭水化物から摂取するのが適切となります。

具体的な摂取方法としては、ご飯を1膳(約150g)食べ、それにジャガイモなどのほかの炭水化物源を加えていくイメージ。ほとんどの食材に炭水化物が含まれているため、バランスよく食事を組み立てることで目標量をクリアできます。

赤身肉や魚でタンパク質をバランスよくとる

多くの人が、ダイエット中にタンパク質を十分に摂取しているため、チートデイでは通常より少なめに設定しても問題ない。

とくに、普段の食事で炭水化物を控えめにしてタンパク質を多めに摂取している場合は、チートデイでその分を炭水化物に振り替えよう。ただし、タンパク質の摂取を完全にゼロにする必要はない。

また、脂質の摂り過ぎにならないよう、脂身の少ない赤身肉や魚などを「焼く」「蒸す」「茹でる」などして食べるようにしよう。

炭水化物の摂取量が増えることでお腹がいっぱいになるため、タンパク質の摂取量は自然と抑えられる傾向にあります。過度にお腹いっぱいになるまで食べる必要はなく、適度な満足感を得られる程度の食事を心がけましょう。なお、タンパク質の目安量は総摂取エネルギーの「13~20%程度」です。

アボカドやナッツ類で健康的な脂質を補う

チートデイには「アボカド」「ナッツ類」など、健康的な脂質を補うことが効果的。

アボカドには単価不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、心臓病のリスクを低減し善玉コレステロールを増やす効果がある。また、「ビタミンE・K」も豊富に含む。

「アーモンド」「くるみ」「カシューナッツ」などのナッツ類は、「オメガ3脂肪酸」「食物繊維」が豊富で、普段不足しがちな栄養素を補うのにもぴったり。「アマニ油」「チアシード」などのスーパーフードも、オメガ3脂肪酸がとくに豊富に含まれている。

オリーブオイルも「オレイン酸」が豊富で、抗酸化作用があり心血管系の健康をサポートする効果が期待できる。ただし、これらの食品は高カロリーなため、摂取量には注意しよう。1日の総エネルギーの「20〜30%程度」を脂質から摂取するのが適切。

「アマニ油」「魚に含まれる油」「オリーブオイル」などから、体内で合成できない必須脂肪酸をとることをおすすめします。大さじ3杯くらいを目安に、不足せずとりすぎないように意識しましょう。

野菜や果物でビタミン・ミネラルを豊富に摂取する

チートデイに関わらずダイエット中は野菜や果物を積極的に取り入れ、「ビタミン」「ミネラル」を豊富に摂取することも大切。身体のさまざまな機能を支え、代謝を促進する役割がある。

緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、にんじんなど)は、抗酸化作用があり、免疫機能の向上や細胞の修復に寄与する「ビタミンA・C・K」が豊富。

ベリー類(ブルーベリー、ラズベリーなど)には、抗酸化物質である「ポリフェノール」が豊富に含まれており、炎症を抑制し脳機能を向上させる効果も期待できる。バナナやアボカドは、「カリウム」が豊富で、筋肉の機能維持や血圧調整をサポートする。

また、野菜や果物は食物繊維も豊富。腸内環境が整えられることで栄養素の吸収効率がよくなり、基礎代謝やエネルギー消費量が向上して、脂肪の燃焼効率が高められる。

乳製品を取り入れてカルシウムを補給する

健康的な身体を作るためには、乳製品を取り入れてカルシウムを補給することも大切。カルシウムは、骨や歯の健康維持だけでなく、筋肉の収縮や神経伝達にも重要な役割を果たす。

チートデイにおける乳製品の摂取については、「ヨーグルト」「牛乳」がおすすめ。栄養価が高く比較的脂質が少ないため、カロリーコントロールがしやすい。

一方、チーズは脂質の含有量が高いため、食べる量には注意が必要。チートデイといっても摂取してよいエネルギーには限度があるので、カロリーオーバーにならない程度に取り入れよう。

脂質を気にしている人は通常の牛乳ではなく「低脂肪乳」「アーモンドミルク」などを選択するのも1つの方法。

チートデイを実施する際の注意点

チートデイを実施する上での「食事やアルコールの摂取量目安」「チートデイの過ごし方のポイント」を解説。食べることに罪悪感を持たずチートデイを楽しむことも大切。

  • 食べ過ぎないよう腹八分目を心がける
  • アルコールの摂取は最小限に抑える
  • 食べることに罪悪感を持たない
  • 当日に過度な運動や極端な食事制限をしない
  • 体重増加を気にせず通常の生活リズムを保つ

食べ過ぎないよう腹八分目を心がける

チートデイを効果的に実施するには、食べ過ぎに注意して「腹八分目」を心がけることが大切。過食は胃腸の不調を引き起こし、翌日以降の体調に影響を与える可能性も。腹八分目を維持することで、消化器系への負担を軽減できる。

ゆっくりと食事を楽しむことが、腹八分目を実現するコツ。よく噛んで食べることで、満腹中枢が適切に働き、適量で満足感を得られる。また、小さめの皿を使用すると視覚的な錯覚により、少ない量でも満足感を得やすくなる。

さらに食事の合間に水を飲むことでも、胃の膨張感を得られ食べ過ぎを防ぐ助けになる。

アルコールの摂取は最小限に抑える

チートデイでもアルコールの摂取は最小限に抑えよう。アルコールは「エンプティカロリー」と呼ばれ、栄養価が低い割に糖質を大量に含み、高カロリー。そのため、ダイエット中はとくに注意したい。

また、アルコールは体内で最優先に代謝されるため、ほかの栄養素の代謝を遅らせてしまう。そのため、食事でとった栄養素を消費できず脂肪の蓄積が促進される可能性がある。

さらに、アルコールには食欲を刺激するという特徴も。これにより、チートデイの本来の目的から外れて過食につながるリスクがある。また、利尿作用もあるため、体内の水分バランスが崩れ翌日以降の体調やパフォーマンスに悪影響を与えることも。

どうしてもアルコールを摂取する場合は、「ワイン」「ウイスキーのソーダ割り」など低カロリーのものを選び、「純アルコール量を20g」までに抑えるようにしよう。アルコールの代わりに、ノンアルコール飲料や炭酸水などを選ぶのも1つの方法。

食べることに罪悪感を持たない

チートデイを効果的に実施するためには、食べることに罪悪感を持たないことが大切。罪悪感は不必要なストレスを生み出し、ダイエット全体のモチベーションを低下させる。また、過食や隠れ食いなどの不健康な食行動につながる可能性も。

チートデイは、ダイエットの一部であることを認識し、計画的に設けられた「調整の日」として捉えて前向きな気持ちで食事を楽しもう。食事を楽しむことで、精神的なストレス解消につながる。これは、長期的なダイエット継続に重要な要素。

ただし、「罪悪感を持たない」ことと「無制限に食べる」ことは異なる。適度な量を心がけつつ、質の高い食事を楽しむことが大切。

当日に過度な運動や極端な食事制限をしない

チートデイの当日は、「過度な運動」や「極端な食事制限」を避けること。チートデイは通常より多くの栄養を処理している状態。激しい運動をおこなうことで、体調を崩すことも。

また、急激なカロリー制限は、代謝を低下させ、身体が次のチートデイに備えて脂肪を蓄積しようとする可能性がある。

チートデイの翌日は、速やかに以前のストイックな食事管理に戻すことが大切です。この切り替えをスムーズにおこなうことで、チートデイの効果を最大限に活かしつつ、長期的なダイエット目標の達成につながります。

体重増加を気にせず通常の生活リズムを保つ

チートデイのあとは、一時的な体重増加を過度に気にせず、通常の生活リズムを保つことが大切。食べた次の日に一時的に体重が増えることは自然なことであり、ダイエットにおいては短期的な体重の変動ではなく長期的な体重の変化に目を向けよう。

チートデイ後の体重増加はおもに水分によるもの。炭水化物の多い食事により、体内に一時的に水分が貯まりやすくなる。なお、この増加は通常、数日で元に戻る。

また、毎日の体重測定にこだわりすぎると、不必要なストレスや不安を生む可能性がある。気にしすぎる傾向にある人は、毎日体重を測定するのではなく、週1回程度の測定で体重の推移を把握するのがおすすめ。「体型変化」「服のフィット感」「全体的な体調」など、体重以外の指標も重視するとよい。

チートデイに関するQ&A

チートデイをやっていい人とダメな人の違いは?

A:チートデイは停滞期に入った人がおこなうもの。停滞期が来ない場合はやらなくてよい。

チートデイはダイエットを続けているにもかかわらず、体重や体型の変化が見られなくなった時期、いわゆる停滞期に実施するのが効果的です。ダイエットを始めたばかりで停滞期に至っていない場合や、体脂肪率が高すぎる場合は、チートデイをおこなう必要はありません。

チートデイの翌日に体重が増えていても問題ない?

A:チートデイ翌日の体重増加は、一時的なものであり気にする必要はない。

チートデイの翌日は、単純に摂取した食事の量が反映されるため、体重が増加していても問題ありません。チートデイ後も食事制限と運動を取り入れたダイエットに戻れば、体重も前の状態に戻っていきます。体重の変動に一喜一憂してしまう傾向がある場合は、チートデイの翌日には体重計に乗らないというのも1つの手です。

毎週チートデイを設ける必要がある?

A:毎週設ける必要はなく、個々の状況に応じて適切な間隔を決めるべき。

チートデイの最適な頻度は、個人の体脂肪率やダイエットの目的によって異なります。「体脂肪率が高い場合」「ダイエットを始めて日が短い場合」は、チートデイを設けないことも考えましょう。食事制限の厳しいダイエットを長期間続けている場合は、適度にチートデイを取り入れることでリフレッシュでき、ダイエット効率を高めることができます。

チートデイの食事量はどのくらいが適切?

A:暴飲暴食は避け、一般的な食事量を基準とする。

チートデイとはいえ、暴飲暴食は避けましょう。食べ過ぎは身体に負担をかけてしまうだけでなく、ダイエットに悪影響を与えてしまう可能性もあります。個人によって量は異なりますが、一般的な食事量を基準とし少し上回る程度に抑えましょう。

適度に制限を緩めることで、健康的にダイエットを継続できるようにすることもチートデイの目的の1つ。バランスのとれた食事と適度な量を心がけることで、ダイエット効果を最大化できます。

チートデイ当日は運動をしてもよい?

A:チートデイ当日の運動は推奨されない。

急にいつも以上の食事をすることになるので、運動をおこなうことで消化不良や体調不良になる可能性があります。チートデイは身体を休ませて、身体的にも精神的にもリラックスした時間を過ごすことが大切です。

チートデイ後のリバウンドを防ぐコツは?

A:チートデイが適切におこなわれていれば、リバウンドは起こらない。

チートデイ後に一時的に体重が増えたとしても、すぐに通常の食事制限とトレーニングに戻れば、数日で元の状態に戻るため、これはリバウンドではなく一時的な体重変動に過ぎません。

もし、チートデイ後に増えた体重が戻らない状況であれば、チートデイが適切におこなわれていないと考えられます。チートデイの実施自体を考え直す、もしくは頻度を見直すようにしましょう。

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